「Wi-Fiの電波はあるのにインターネットに繋がらない」という困りごとは、決して珍しいものではありません。
解決するためにはまず原因の特定を行い、そこから効果のありそうな対処法を予測・実践し、状況の改善を確認していくことになります。
この記事では、Wi-Fiの電波はあるのに繋がらない場合の原因および対処法について、詳しく解説していきます。
- Wi-Fiの電波はあるのに、インターネットに繋がらなくて困っている
- Wi-Fiに繋がったり繋がらなかったりする原因と対処法を知りたい
- 今まで使えていたWi-Fiが急に繋がらなくなった
目次
Wi-Fiの電波はあるのに繋がらない原因
Wi-Fiに繋がらない原因は、ルーター・端末・回線やプロバイダのいずれかに問題が発生していることがほとんどです。
ただし、電波があることを確認できているのであれば、回線やプロバイダに問題がある可能性は非常に低いでしょう。
実際に原因がどこにあるのかを見極める方法と、さらに詳しい問題点の確認ポイントを順に解説していきますので、症状や状況を当てはめながら参考にしてみてください。
WiFiルーター側に問題がある場合
電波はあるのにWi-Fiに繋がらない場合はまず、ルーターに問題が生じていないかを確認してみましょう。
- 電源が入っているか
- ランプの点灯が正常か
- ケーブルがしっかり接続されているか
- 過熱していないか
また、Wi-Fiに繋がらない端末が複数台あるときは、ルーター側の問題であることが多いです。
手持ちの端末が一台しかない場合は逆に、自宅以外のフリーWi-Fiなどなら接続できるのであれば、自宅のWi-Fiルーターに問題があると考えられるでしょう。
詳しいトラブル原因について解説していきますので、当てはまるものがあるかチェックしてみてください。
ルーターの設定が間違っている
ルーターを新しく購入して初期設定を行った場合は特に、Wi-Fiルーターの接続や設定が上手くできていない可能性が大きいです。
取扱説明書の手順と説明にしたがって、設定に過不足や誤りがないか改めて確認していきましょう。
- ONUとルーターを繋ぐLANケーブルの差し込み口(ポート)
- ルーター設定の各項目
- ルーター名
- SSID
- IPアドレス
- 周波数ごとのパスワード
- ルーター本体に記載されているユーザー名およびパスワードの入力
Wi-Fiルーターの設定は基本的に、パソコンまたはスマホのインターネットブラウザから行います。
ユーザー名とパスワードは本体に記載されているものを使用しますが、なかには自分で変えられる機種もあるので、その場合は変更後の設定が入力できているかも確認してみてください。
設置場所に問題がある
Wi-Fiの電波は、障害物やルーターからの距離、他の電波の干渉やノイズによって届きにくくなったり、不安定になったりします。
そのため、ルータの設置場所に問題があると、電波があるのに繋がらないという事態が発生してしまうのです。
- 壁や家具に囲まれた場所
- 電子レンジやスマート家電、Bluetooth機器の近く
- 金属製の棚や扉付きの家具の上
- 床やローテーブル程度の低い位置
- 家の隅や中心からずれた場所
- 水槽や浴室の近く
一つでも該当する項目がないか、改めて確認してみましょう。
ルーターは普段触れる機器ではないのでつい目立たず邪魔にならない場所に置きたくなってしまうものですが、Wi-Fiを快適に使うためには置き場所に気を配ることが必要不可欠です。
二重ルーターになっている
ルーターを2台以上設置している場合、正しく設定ができていないと二重ルーターの状態となり、Wi-Fiへの接続が正常に行えなくなってしまうことがあります。
また、元々はきちんと設定できていてトラブルなく使えていたのに、停電からの復帰時に意図せず二重ルーターになってしまっていることもあります。
Wi-Fiの電波が届く範囲を広げたい、接続可能台数を増やしたい、といった場合は、中継器の導入やメッシュWi-Fiの構築を行うのがおすすめです。
そのほか、自宅内だけではなく近隣住宅のWi-Fiルーターからの電波が干渉しているケースもあるので、注意して確認してみましょう。
ルーターが故障している
一通り設定などをチェックしても不備が見当たらない場合は、ルーター自体の故障が考えられます。
- ルーターの電源が入らない
- ランプが点灯しない
- 異音がする
上記のようなルーター不具合が頻発する場合は、経年劣化の可能性が高いでしょう。
ルーターの寿命は基本的には4,5年程度と言われていますが、使用環境が高温・多湿・ほこりっぽいなどの場所では、劣化は早まってしまいます。
ほかにも、ルーターを落とした、強い衝撃を加えた、などの外的要因で故障することも珍しくありません。
外見では破損が見当たらなくても内部の基板やアンテナ部分がダメージを負っているケースもあるため、落下や衝撃には普段から気を付けましょう。
スマホやパソコンなどの端末側に問題がある場合
Wi-Fiの電波はあるのに特定の端末だけがインターネットに繋がらないのであれば、端末に問題があることが多いです。
複数端末での確認ができない場合は、フリーWi-Fiなど自宅以外の場所でインターネットに接続できるかを試してみてください。
自宅以外のWi-Fiにも繋がらない場合は、端末に問題がある可能性が高いです。
スマホやパソコンなどの端末側に問題があるケースでも、まずは具体的にトラブルの要因となっているポイントを特定していきましょう。
Wi-Fi設定が間違っている
端末のWi-Fi設定が間違っていると、電波があってもインターネットに接続することができません。
まずはインターネットに接続したい端末のWi-Fi設定画面を開き、ネットワーク名(SSID)や入力したパスワードに誤りがないか確認してみましょう。
なかには、接続したいWi-Fiを正しく選択できていないケースもあります。
また、急にWi-Fiに繋がらなくなった場合は、設定や機内モードでWi-Fiがオフになっていないかもチェックしてみてください。
スマホやパソコンが故障している
特定の端末のみがWi-Fiに接続できず、設定の問題もない場合は、スマホやパソコンなどの端末自体が故障している恐れがあります。
特に、落下・水没・高温多湿な環境での長時間使用が多い場合、購入から3年以上が経過している場合などは、可能性が高いでしょう。
落下や水没の直後は故障や不具合が生じていなくても数日以上経過してから症状が現れることもあるので、油断は禁物です。
セキュリティソフトが干渉している
端末に入れているセキュリティソフトがWi-Fi接続をブロックして、インターネットに繋がらないケースもあります。
接続しようとしているWi-Fiに情報漏洩や危険なアクセスのリスクがあると判断されると、ファイアウォール機能が働くためです。
特に、普段とは異なるフリーWi-Fiなどを利用しようとして、電波はあるのに繋がらない場合はセキュリティソフトが干渉している可能性が高いでしょう。
また、広告ブロッカーを導入すると、アプリやソフトウェアにセキュリティ上の脅威があると判断されて通信が遮断されることもあります。
回線事業者・プロバイダ側に問題がある場合
Wi-Fiの電波がある場合は該当する可能性が低いですが、サーバーの回線事業者やプロバイダが原因でインターネットに接続できなくなることもあります。
また、利用料金の支払い忘れで契約が解除されていたり、利用停止になっているケースも極稀にあるので、注意しましょう。
サーバーのメンテナンスや不具合
回線やプロバイダがサーバーメンテナンスを行っていることが原因で一時的にインターネットに繋がらなくなることがあります。
基本的には事前にメールなどで日時の告知が届きますが、緊急で行われる臨時メンテナンスの場合は急にWi-Fiが切れたと感じるケースもあるでしょう。
サーバーのメンテナンスや不具合は、自然災害や停電、アクセスの集中などが原因で発生することが多いです。
Wi-Fiの電波はあるのに繋がらない時の対処法
Wi-Fiが繋がらない原因の予測・特定ができたら、次は改善に向けて対処を行っていきましょう。
原因の紹介と同じように、Wi-Fiルーター・端末・回線やプロバイダの3分類でそれぞれを詳しく紹介していきますので、効果のありそうなものから順に実践してください。
WiFiルーター側に問題がある場合
「どの端末でもWi-Fiが繋がらない」「または自宅以外のWi-Fiならインターネットに接続できる」という場合は、Wi-Fiルーターに問題があることが大半です。
具体的にどのような問題が生じているかはケースバイケースですので、前述した電波はあるのにWi-Fiに繋がらない原因の項も参考にしながら、対処法を試していきましょう。
また、原因の特定に繋がることもあるので、一つ試す度にWi-Fi接続ができるようになっているか確認していくことをおすすめします。
Wi-Fiルーターを再起動する
まずは、Wi-Fiルーターの電源を一度切ってから数分後に再び入れる、再起動を試してみましょう。
- 電源ボタンを押す
- リセットボタンを長押しする
- 電源アダプターを抜き差しする
機種によって再起動の方法は異なるので、本体や取扱説明書を確認して進めてみてくださいね。
Wi-Fiに繋がらない原因がルーターの一時的な不具合だけであれば、再起動をするだけですんなり解決することも珍しくありません。
ちなみに、ルーター本体に触れて肌で分かるほど過熱しているときは、冷却が必要な状態です。
電源を切った状態で最低でも30分以上、しっかり冷めるまで数時間待ってから、再び電源を入れるようにしてください。
ルーターの設定を見直す
新しく導入したルーターがWi-Fiに繋がらない場合は「SSID(ネットワーク名)」と「パスワード」が正しく設定できているか確認します。
合わせて、通信のセキュリティ対策の一つである「暗号方式」に相違が無いかもチェックしてみてください。
ルーターの基本的な設定方法は、メーカーホームページや取扱説明書を確認するのがベストです。
その他、OUN(回線終端装置)とルーターを物理的に繋ぐLANケーブルの接続設定が誤っているケースもあります。
LANポートではなく、WANポートに正しく差し込まれているか、一度確認してみましょう。
ルーターのファームウェアを更新する
Wi-Fi接続の環境を整えるためには、インターネットや周辺機器の動作を管理するためのファームウェアを最新に保つことも大切です。
もし更新ができていないのであれば、ルーターのメーカーサイトから最新版をダウンロードして、インストールしておきましょう。
また、ルーターの機種によってはファームウェアを自動更新するように設定できるものもあります。
可能であれば常に最新版に自動更新するよう設定しておくことをおすすめしますが、何らかの理由で手動更新を希望する場合も通知は届くように設定しておいてください。
ルーターだけでなく、端末のOSやパソコンのWi-Fiアダプターのドライバーも最新版にアップデートできているか要確認です。
ルーターの設置場所を見直す
Wi-Fiの繋がりやすさはルーターの設置場所も大きく関係しますので、接続が上手くいかないのであれば改善点がないか見直してみましょう。
- 壁や家具に囲まれていないか
- 2.4GHz周波数帯を使用する機器を近くに置いていないか
- 水槽や浴室など、水場の近くに設置していないか
- 設置場所が金属製の棚や扉付きの家具ではないか
- 床から1~2m程度高い場所に置いてあるか
- 住宅の中心付近に設置できているか
2.4GHzの周波数帯を使用する機器は、電子レンジ、スマート家電、Bluetooth機器などが挙げられます。
また、電波を通しにくい金属や水、分厚い壁や大型家具などがWi-Fiルーターの近くにある場合は、設置場所を変えてみると良いでしょう。
家具や家電の移動が困難な場合は、接続する周波数帯を切り替えることで通信が安定することもあります。
2.4GHzは特に電波干渉が起こりやすいので、切り替え可能なルーターであれば5GHzを選んでみてください。
ルーターの設置場所は、なるべく広い範囲に電波が行き届くように住宅の中心付近、床から1~2m高い位置を心掛けると良いです。
ルーターの買い替えを検討する
明らかにルーター自体が故障しているのであれば、買い換えを行うのが最善です。
故障が明らかではなくても、再起動・ファームウェアの更新・設定と設置場所の見直しを行ってもWi-Fiに繋がらない場合も、買い換えの検討をおすすめします。
特に、同じWi-Fiルーターを4年以上使用しているのであれば、買い換えの時期です。
ルーターを買い換えるとWi-Fiの接続が改善するだけでなく、通信速度やセキュリティ機能などのスペック面でもメリットが生じますよ。
スマホやパソコンなどの端末側に問題がある場合
特定の端末のみがWi-Fiの電波に繋がらない、または自宅以外のWi-Fiにも接続できないという場合は、スマホやパソコン側の問題にアプローチする必要があります。
実践しやすい内容の対処法から順に紹介していきますので、確認しながら試してみてください。
Wi-Fiとデバイスを再接続する
まずは、Wi-Fiとデバイスの接続に一時的なトラブルが生じている可能性があるため、再接続を試してみましょう。
再接続の方法は端末のWi-Fi設定画面でスイッチを一度クリックまたはタップで切ってから、数秒後にオンに入れ直すだけです。
再接続には少し時間がかかることもあるので、入れ直してから1,2分程度は様子を見てみてください。
スマホやパソコンを再起動する
Wi-Fiの再接続をしても症状が改善しない場合は、端末自体を再起動します。
端末側の一時的な不具合であれば、これだけで繋がることも珍しくありません。
- パソコン…スタートメニューを開いて電源ボタン、再起動をクリックする
- Android…電源ボタンを長押ししてから、表示されるメニューの再起動をタップ
- iPhone X以降…スリープと音量ボタン上下を長押しして、表示されるボタンをスライド
- iPhone 8以前…電源ボタンを長押しして、表示されるボタンをスライド
- iOS 11以降…設定の「一般」を開き、下部の「システムの終了」をタップし、電源オンにする
再起動の方法は機種によって若干異なる場合もありますので、分からない場合は取扱説明書を確認したり、機種名で検索したりして、確認してみてください。
スマホやパソコンのWi-Fi設定を見直す
スマホやパソコンなど、Wi-Fi通信ができない端末の設定を見直すことも有効です。
- SSID(ネットワーク名)やパスワードが正しいか
- 端末のWi-Fi設定がオンになっているか
- 機内モードになっていないか
- 使用環境に適した周波数帯を選べているか
- アプリ設定が通信オフになっていないか
SSID(ネットワーク名)とパスワードは基本的にWi-Fiルーター本体に記載されているものを使いますが、機種によっては自分で任意のものに変更できることもあります。
SSIDやパスワードを変更した場合は端末のWi-Fi設定を改める必要がありますので、忘れずに行っておきましょう。
また、端末のWi-Fi設定がオフになっていたり、機内モードになっていたりするとWi-Fiに接続できませんので、正しく設定してみてください。
周波数帯の切り替えが可能なルーターを使用しているのであれば、端末の接続先を変更してみるのも良いでしょう。
特定のアプリだけがインターネットに繋がらないのであれば、アプリ設定で通信が許可されているか確認してください。
セキュリティソフトを一時停止する
セキュリティソフトの干渉が考えられる場合は、ファイアウォール機能を一時停止してからWi-Fiに接続できるか試してみてください。
一時停止をすることで改善が見られる場合は、セキュリティソフトが原因と見て間違いないでしょう。
確認のためにオフにしたファイアウォールを元に戻さずWi-Fi接続を続けていると、ウイルスやスパイウェアへの感染リスクが生じてしまいますので、注意が必要です。
過剰なフィルター設定になっていないか、接続しようとしているWi-Fiに危険やリスクがないかなど、確認しつつ利用を再開する必要があります。
スマホやパソコンの買い替えを検討する
上記のどの方法を試してもWi-Fiに繋がらない場合は端末の故障が考えられるため、買い換えの必要が出てきます。
購入からあまり期間が経っていないのであれば修理という選択肢もありますが、故障原因の特定がスムーズに進まないと費用が高額になる可能性が大きいです。
また、スマホの場合は部分修理ではなく本体交換になるケースが多いです。
そのため、2,3年以上使用していてWi-Fi接続が上手くできないのであれば、修理よりも買い換えを選択するほうが良いかもしれません。
回線事業者・プロバイダ側に問題がある場合
回線事業者やプロバイダに問題がある場合は、根本的な解決をユーザー側で行うことは困難です。
接続トラブルがあまりに頻発するのであれば、事業者の変更を検討してみても良いでしょう。
いざというときに慌てないよう日頃から行っておきたいアクションとしては、各種情報の確認が挙げられます。
プロバイダの障害情報やメンテナンス情報を確認する
回線やプロバイダが計画的にメンテナンスを実施する場合、あらかじめメールや公式ホームページで予定日時や期間などを告知しています。
基本的には利用者数の少ないタイミングを選んで行われるため影響の出る人は限られますが、念のため予定は控えておくと良いでしょう。
また、突発的に発生した障害やそれに伴うメンテナンスの情報も、基本的には公式ホームページでお知らせされます。
急にインターネットに接続できなくなり、ルーターや端末の問題が見当たらない場合は一度確認しておくと良いでしょう。
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まとめ
電波があるのにWi-Fiに繋がらない原因は、ルーターまたはスマホやパソコンなどの端末に問題が生じているケースが大半です。
原因によって対処法もさまざまなので、心当たりのあるものを順に試して、接続できるようになっているか確認していきましょう。